1/64という極めて高いD値を持つ彼の楽しみと言えば
周囲の人間にD値を聞いて回ることだった
同僚のみならず、上司にまでその行為は及ぶ
彼自身は気付いていないようだが、自分より低いD値が回答として帰ってくると
思わず垂れた目がニッと細くなり、同時に口元も緩むのだ
そして出会ったのがいかにもD値の低そうな芋臭い同僚
これからボッシュの相棒となる男だ
ボッシュは挨拶もそこそこに、息を吸うように「お前のD値、なに?」とその彼に訊いた
「1/4だよ」
耳を疑う もう一度訊くと
「・・・今日から君とペアを組むことになったリュウ=1/4だ よろしく、相棒」
そこからボッシュの記憶は途切れている....
おわり